懐(なつ)かしき故郷(ふるさと)の歌(うた)
是(こ)れ何ぞ楚人(そひと)の多(おお)きや、と
杯(さかずき)をかわして
幾重(いくえ)に囲(かこ)む漢軍(かんぐん)の
轟(とどろ)く楚(そ)の歌(うた)流(なが)れれば
萬裏(ばんり)を手(て)にした覇王(はおう)でさえも
今(いま)となっては鞭打(むちう)てず
ああ 愛(いと)しき女(ひと)よ
汝(なんじ)を思(おも)えば涙(なみだ)が伝(つた)う
靜(しず)まりし夜(よ)の大地(だいち)で紡(つむ)ぐ
憤(いきどお)る悲(かな)しみの歌(うた)
虞(ぐ)や虞(ぐ)や若(なんじ)を奈何(いか)んせん、と
繰(く)り返(かえ)し歌(うた)いて
「項王乃ち悲歌忼慨し、
自ら詩を為りて曰はく、
「力山を抜き気世を蓋ふ
時利あらず騅逝かず
騅の逝かざる奈何すべき
虞や虞や若を奈何せん。」と。
歌ふこと數闋、美人之に和す。
項王泣數行下る。
左右皆泣き、能く仰ぎ視るもの莫し。」
「“こうおう、すなわち ひか こうがいし、
みずから し を つくりて いわく、
『ちから やまをぬき き よをおおう』
『とき りあらず すいゆかず』
『すいのゆかざる いかんすべき』
『ぐやぐや なんじをいかんせん』」っ と
うたぶことすうけつ、びじん これにかす。
こうおう なみだ すうぎょう だる。
さゆう みな なき、よくあおぎみるもの なし”」
幾多(いくた)に及(およ)ぶ戦(いくさ)にも
我(わ)が手(て)にかかれば何(なに)とせぬ
誰(だれ)もが恐(おそ)るる覇王(はおう)でさえも
流(なが)る時代(じだい)に逆(さか)らえず
ああ 偉大(いだい)な天(てん)よ
私(わたし)が亡(ほろ)ぶは汝(なんじ)のせいか
*靜(しず)まりし夜(よ)の大地(だいち)に響(ひび)く
懐(なつ)かしき故郷(ふるさと)の歌(うた)
是(こ)れ何ぞ楚人(そひと)の多(おお)きや、と
杯(さかずき)をかわして
repeat*
大意:
寧靜夜中 天地回響
令人懷念的故鄉之歌
說著“是何楚人之多也”
夜飲不斷
十面包圍的漢軍
高聲吟唱著楚歌
即便是坐擁萬裏山河的霸王
如今也無法意氣風發
嗚呼 心愛的女子啊
想到妳就忍不住淚水
寧靜夜中 地上傳出
憤慨且悲哀的歌聲
“虞兮虞兮奈若何”
反復不斷地唱著
[項王乃悲歌慷慨,
自為詩曰:
“力拔山兮氣蓋世,
時不利兮騅不逝。
騅不逝兮可奈何,
虞兮虞兮奈若何!”
歌數闋,美人和之。
項王泣數行下。
左右皆泣,莫能仰視。 ]
經歷過那麽多征戰
這手中所得又有什麽
即使是霸王也和他人壹樣會怕
無法抗拒時代所趨
啊啊 偉大的蒼天
汝要亡我啊
(或者……“天之亡我,非戰之罪也”)
*寧靜夜中 天地回響
令人懷念的故鄉之歌
說著“是何楚人之多也”
夜飲不斷
repeat*