常の住処にあらず
草の葉におく白露
水に宿る月より猶あやし
金谷に花を詠じ
栄華はさきを立って
無常の風にさそわるる
南樓の月を弄ぶ輩も
月に先だって
有為の雲に隠れり
人間五十年
下天の中をくらぶれば
夢幻のごとくなり
壹度生を受け
滅せぬ者のあるべきか滅せぬ者のあるべきか
是を菩提の種と思ひ定めざらんは
口惜しかりし次第ぞと思ひ定め
急ぎ都へ上りつつ
敦盛の禦首を見れば物憂さに
獄門よりも盜み取り
我が宿に帰り
禦僧を供養し
無常の煙となし申し 翻譯如下:常思人世漂流無常
譬如朝露
水中映月
剎那繁華瞬間即逝
風流人物
今非昔比
人生五十年
莫非熙熙攘攘
浮生幻夢 名垂青史
功敗湮滅
只是宿命因果
壹念之間
有何可惜 急至京都憂心難忍
獄門示眾
敦盛之首
竊而歸家傳僧供奉
嘆息如煙
人間無常